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場面緘黙とは?話せない子への関わり方と放デイでの支援5段階

場面緘黙(選択性緘黙)は家では話せるのに特定の場面で声が出なくなる不安症状です。やってはいけない関わり方、5段階の段階的接触法、初回来所前の準備、静岡市の相談先まで、支援経験9年の児発管が解説します。

最終更新:2026年06月10

場面緘黙とは?話せない子への関わり方と放デイでの支援5段階

場面緘黙(ばめんかんもく)とは、家では話せるのに学校など特定の場所や状況では声が出なくなる症状で、「話したくない」のではなく「話したくても話せない」状態です。推計では100〜150人に1人程度とされ、決して稀ではありません。不安による反応のため、無理に話させようとする関わりは逆効果です。この記事では、やってはいけない関わり方と、放課後等デイサービスで行う5段階の「段階的接触法」、静岡市の相談先まで解説します。

この記事の結論(30秒でわかる)

  • 場面緘黙は「わがまま」でも「シャイ」でもない:DSM-5では不安症群に分類される状態で、本人は話せないことに気づいており、それ自体が大きなストレスになっています。責める・急かす関わりは逆効果です。
  • 支援は「声を出すこと」をゴールにしない:うなずき→筆談・絵カード→タブレット→囁き声→通常の声、と段階を設け、今できる方法でのコミュニケーションを尊重します。1段階に数ヶ月かけることも珍しくありません。
  • 様子見のしすぎが最大のリスク:長期間見過ごされると不登校や二次障がいにつながることがあります。静岡市では発達障害者支援センター「きらり」(054-285-1124)などで専門的な相談ができます。

場面緘黙(選択性緘黙)とは?どんな特徴がある?

場面緘黙(選択性緘黙)は、特定の場面で話せなくなる不安症状で、DSM-5では不安症群に分類されています。推計では100〜150人に1人程度とされており、決して稀な状態ではありません。

特徴として、

  • 家庭や安心できる場所では問題なく話せる
  • 初対面・大勢の前・先生など「特定の状況」で話せなくなる
  • 話せないことに本人が気づいており、それ自体が大きなストレスになっている
  • 身体も固まることが多い(笑えない、動けないなど)

「シャイなだけ」「慣れれば大丈夫」と様子を見すぎると、適切な支援が遅れることがあります。

やってはいけない関わり方は?

最も大切なことは「焦らないこと」です。以下の関わりは避けてください。

  • 「なんで話せないの?」「声を出して」と責める・急かす
  • 大勢の前で話させようとする
  • 「話せたね!」と過剰に褒めて注目を集める(プレッシャーになることがある)
  • 話せないことを無視して完全に放っておく(存在を無視された感覚になる)

「家でこんなに話せるのに、なぜ外では…」というもどかしさはよくわかります。しかし、場面緘黙は本人が最もつらい状態です。「待てる大人」がお子さまの最大の支援者です。

放課後等デイサービスでできる支援は?

放デイでは「安心できる環境づくり」と「段階的なコミュニケーション支援」を軸に支援します。順番に見ていきましょう。

1. 安心できる環境を整える

まず「この場所は安全だ」と感じてもらうことが最優先です。少人数・同じスタッフ・決まったルーティンが安心感の土台になります。

2. コミュニケーションの「段階」を設ける

声を出すことを最終ゴールとせず、以下のような段階的アプローチをとります。

  1. うなずき・首振りでの意思表示
  2. 紙や文字・絵カードでの表現
  3. タブレット入力・音声変換ツールの活用
  4. 囁き声・ごく小さな声
  5. 通常の声

いきなりステップ5を求めず、今のお子さまができる方法でのコミュニケーションを尊重します。

3. 得意なことを通した関係づくり

絵を描くことが好き、パズルが得意、など言葉を使わなくても「できること」「好きなこと」を通じてスタッフとの関係を築くことで、徐々に安心の範囲が広がります。iHomeでは「この子は何が好きか」を探ることから支援をスタートさせています。

4. 「段階的接触法」で少しずつ慣れる

場面緘黙の支援で最も重要なアプローチは、不安な場面に「少しずつ」慣れていく段階的接触です。具体的な段階をご紹介します。

段階

目標

方法

第1段階

施設に来ることに慣れる

玄関で過ごすだけでも可。無理に中に連れて行かない

第2段階

スタッフの存在に慣れる

スタッフはそばにいるが話しかけず、一緒に活動に集中する

第3段階

非言語でのやりとりをする

うなずき・指差し・紙への記入など声なしでのコミュニケーション

第4段階

囁き声・小声を出す

スタッフと2人だけの場面で、ごく小さな声を出す体験

第5段階

通常の声で話す

安心できる状況から徐々に場面を広げる

各段階の移行は本人のペースに合わせます。焦らず、1段階を数ヶ月かけることも珍しくありません。「少しでも前に進んでいれば成功」という姿勢で関わることが大切です。

5. 初回来所前の準備で不安を減らす

場面緘黙のあるお子さまを放デイに連れていく際は、事前の準備が非常に重要です。iHomeでおすすめしている「初回来所前の準備ステップ」をご紹介します。

  1. 施設の写真・動画を事前に見せる:「これがiHomeの入口」「これがお部屋」と来所前に何度も見せることで「知っている場所」として安心感が生まれます。LINE等での施設写真の共有もご相談いただけます。
  2. スタッフの顔と名前を伝える:「来たときに会うのは○○さんというスタッフです」と名前と顔を事前に知らせることで、初対面の不安が減ります。
  3. 「話さなくていい」を言葉で伝える:「うなずくだけでいい」「紙に書いてもいい」「何もしなくてもいい」と具体的に伝えると、「話せなかったらどうしよう」という不安が軽減されます。
  4. 初回は短時間にする:最初から2〜3時間の通常利用でなく、30分〜1時間の「見学・慣らし」から始めることを相談しましょう。iHomeでは柔軟な対応が可能です。
  5. 保護者が一緒に来てもよい:最初の数回は保護者が室内にいることを許可している事業所もあります。「一人でいさせない」という配慮が場面緘黙のお子さまには特に重要です。

放置するとどうなる?(不登校・二次障がいとの関係)

場面緘黙が長期間見過ごされると、「学校に行けない」「友達が一人もいない」という状態になり、不登校や社会的孤立につながることがあります。さらに自己否定感が蓄積すると、うつ状態や不安障がいなどの二次障がいに発展するリスクもあります。

早期に「場面緘黙です」と明確にわかることで、適切な支援が受けられるようになります。「ただ内気なだけ」「慣れれば話せるようになる」と様子を見続けることが最大のリスクです。気になったら早めに相談することをおすすめします。

専門的な支援はどこで受けられる?

静岡市内では、静岡市発達障害者支援センター「きらり」(054-285-1124)や、発達外来のある小児科・クリニックで場面緘黙の専門的な診断・支援を受けられます。専門的な治療・支援には主に以下のアプローチがあります。

  • 認知行動療法(CBT):不安の場面に段階的に慣れる「暴露療法」を取り入れたアプローチ
  • 遊戯療法:遊びを通じて安心感を育て、自然な形でコミュニケーションを引き出す
  • 親子並行アプローチ:子どもへの支援と保護者への心理教育を同時に行う
  • 学校・放デイとの連携支援:複数の環境で一貫した対応をする

iHomeでは場面緘黙の子を受け入れてもらえる?

受け入れています。iHome(静岡市葵区古庄)のスタッフには場面緘黙のあるお子さまの受け入れ経験があり、「話さなくていい」「今日は参加しなくてもいい」という姿勢から始め、まず「ここは安全な場所」と感じてもらうことを最優先にしています。

実際に、最初は一言も話さなかったお子さまが、半年後には小声でスタッフに話しかけてくれるようになったケースがあります。「急がない・急かさない・否定しない」がiHomeのスタンスです。場面緘黙のお子さまの見学・体験は個別対応で受け付けていますので、まずはお問い合わせください。

よくある質問

Q. 場面緘黙は「わがまま」や「ただのシャイ」ですか?

A. いいえ、不安による反応です。「話したくない」のではなく「話したくても話せない」状態で、本人が最もつらさを感じています。DSM-5では不安症群に分類されており、適切な支援の対象になります。

Q. 様子を見ていれば自然に話せるようになりますか?

A. 「慣れれば話せるようになる」と様子を見続けることが最大のリスクとされています。長期間見過ごされると不登校や二次障がいにつながることがあるため、気になったら早めの相談をおすすめします。

Q. 場面緘黙の子どもは放課後等デイサービスを利用できますか?

A. 利用できます。iHomeでは場面緘黙のあるお子さまの受け入れ経験を持つスタッフが、初回は30分〜1時間の短時間の慣らしから始めるなど個別対応をしています。見学・体験もご相談ください。

Q. 場面緘黙はどこに相談すればいいですか?

A. 静岡市では、静岡市発達障害者支援センター「きらり」(054-285-1124)や発達外来のある小児科・クリニックで専門的な相談・診断ができます。放デイでの関わり方についてはiHomeでもご相談を受け付けています。

まとめ:焦らず「安心感の積み重ね」を最優先に

場面緘黙は「わがまま」でも「シャイ」でもなく、不安による反応です。「話せない」お子さまを責めたり急かしたりせず、安心感を積み重ねるゆっくりとした支援が最も効果的です。iHomeでは場面緘黙のあるお子さまを受け入れた経験を持つスタッフが、個別の対応プランを作成します。ご相談はいつでもお問い合わせからどうぞ。

iHome
監修

iHome 児童発達支援管理責任者(支援経験9年)

放課後等デイサービスの現場で9年間、お子さまの支援に携わってきました。この記事は、現場での実体験と最新の制度情報に基づいて内容を監修しています。

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