個別支援計画とは?放デイでの作成プロセスと活用法
放課後等デイサービスで作成が義務づけられている個別支援計画について解説。作成プロセス、保護者との共有方法、支援経験に基づく計画作成の考え方を紹介します。
最終更新:2026年04月13日

個別支援計画は、放課後等デイサービスで法的に作成が義務づけられている、お子さま一人ひとりの支援の設計図です。アセスメント→目標設定→支援実施→モニタリングのサイクルで運用され、少なくとも6か月に1回の見直しが必要です。iHomeでは、開所後は、支援経験9年の児発管が保護者さまと二人三脚で計画を作成していく方針です。
個別支援計画とは何か
個別支援計画(正式名称:放課後等デイサービス計画)は、お子さま一人ひとりの状態・課題・目標・支援内容をまとめた文書です。児童福祉法に基づき、放課後等デイサービスの事業所は利用者全員の個別支援計画を作成する義務があります。
この計画は、児童発達支援管理責任者(児発管)が中心となって作成します。計画に基づいて日々の支援が行われ、定期的に見直しが行われます。
個別支援計画に記載される内容
- お子さまの基本情報:年齢、障がいの状態、生活状況など
- アセスメント結果:お子さまの強み・課題の評価
- 長期目標:半年〜1年で目指す姿
- 短期目標:1〜3か月で達成を目指す具体的な目標
- 支援内容:目標達成のために行う具体的な支援の方法
- 保護者の意向:ご家庭で困っていること、希望すること
- 本人の意向:お子さま自身の希望や気持ち
個別支援計画の作成プロセス
個別支援計画は、以下の4つのステップで作成・運用されます。
ステップ1:アセスメント(評価)
お子さまの状態を多角的に評価します。具体的には以下の方法で情報を集めます。
- 保護者さまへのヒアリング(家庭での様子、困りごと、希望)
- お子さま本人との面談(年齢に応じて)
- 行動観察(利用中のお子さまの様子を記録)
- 学校や医療機関からの情報(保護者さまの同意のもと)
- 発達検査の結果(実施済みの場合)
9年間の現場経験で痛感しているのは、アセスメントの質が計画の質を決めるということです。ここで手を抜くと、的外れな目標を立ててしまい、お子さまの成長につながりません。iHomeでは初回のアセスメントに十分な時間をかけ、保護者さまのお話をじっくりお聞きします。
ステップ2:目標設定・計画作成
アセスメントの結果をもとに、長期目標と短期目標を設定し、具体的な支援内容を計画します。
目標設定で大切にしているのは、「その子にとってちょうどいい目標」を立てることです。高すぎる目標は達成できずに自信を失い、低すぎる目標は成長の機会を逃します。
目標の例
課題 | 長期目標(6か月) | 短期目標(3か月) | 支援内容 |
|---|---|---|---|
自分の気持ちを伝えられない | 困ったときに「手伝って」と言える | スタッフに対して気持ちカードで伝えられる | 気持ちカードの活用、場面ごとの練習 |
集団活動に参加できない | グループ活動に最後まで参加できる | スタッフと一緒に5分間参加できる | 段階的な参加、見通しの提示 |
順番を待てない | 声かけなしで順番を待てる | スタッフの声かけで順番を待てる | 視覚的なタイマーの活用、待てたら褒める |
ステップ3:計画の実施
作成した計画に基づいて、日々の支援を行います。計画は児発管だけでなく、支援に携わる全スタッフに共有されます。
iHomeでは、毎日のミーティングで各お子さまの計画のポイントを確認し、「今日は○○くんの△△の目標に関する場面を意識しよう」とスタッフ間で共有していく考えです。
ステップ4:モニタリング(見直し)
法令上、少なくとも6か月に1回はモニタリングを行い、計画の見直しを行う必要があります。モニタリングでは以下の点を評価します。
- 目標の達成度はどうか
- 支援内容は適切だったか
- 新たな課題やニーズが出ていないか
- 保護者さまの意向に変化はないか
iHomeでは6か月に1回の法定モニタリングに加え、3か月ごとの中間確認を独自に実施していく予定です。半年待ってから「この目標は合っていなかった」とわかるのでは遅いからです。
保護者との共有方法
個別支援計画は保護者さまと共有し、同意をいただいて初めて有効になります。iHomeでの共有の流れは以下のとおりです。
- 計画案の説明:面談でアセスメント結果と目標案を説明
- ご意見・ご要望の反映:「ここはもっとこうしてほしい」を計画に反映
- 同意・署名:最終版に同意いただき、署名をいただく
- 計画書のお渡し:保護者さま用の控えをお渡し
- 日常的なフィードバック:送迎時や連絡帳で計画に関連した様子をお伝え
「計画を作って終わり」ではなく、日々の支援の中で計画がどう活かされているかを、保護者さまにも見えるようにすることが大切です。
良い個別支援計画のポイント
保護者さまが計画の質を見極めるためのチェックポイントをお伝えします。
- 目標が具体的か:「社会性を伸ばす」ではなく「おやつの時間に自分から挨拶できる」のように具体的に
- お子さまの強みが書かれているか:課題だけでなく、得意なことや好きなことも記載されているか
- 保護者の意見が反映されているか:ヒアリングで伝えたことが計画に盛り込まれているか
- 達成度を測れるか:「できたかどうか」が客観的にわかる書き方になっているか
- 定期的に見直されているか:半年以上前の計画がそのまま使われていないか
iHomeの個別支援計画の特徴
iHomeでは、開所後は、以下の3つを個別支援計画作成の柱にしていく方針です。
- 「できないこと」より「できること」に注目:お子さまの強みを起点に目標を立てる
- 保護者さまとの対話を重視:計画作成時だけでなく、日常的に方向性を確認する
- スモールステップ:大きな目標を細かく分解し、「達成感」を積み重ねる
9年間で多くの個別支援計画を作成してきた経験をもとに、お子さまにとって「ちょうどいい計画」を一緒に作っていきます。
個別支援計画の作成でよくある失敗例
個別支援計画は法的に作成義務がありますが、残念ながら「形式的に作るだけ」になっている事業所もあります。保護者さまが気をつけるべき失敗例をお伝えします。
失敗例1:目標が抽象的すぎる
「社会性を高める」「コミュニケーション力を向上させる」のような目標は、達成したかどうかがわかりません。良い目標は「おやつの時間に自分から挨拶できる」のように具体的・行動的に書かれています。
失敗例2:保護者の希望が反映されていない
計画を作成した後に「保護者に署名だけもらう」という事業所があります。真に有効な計画は、保護者さまのヒアリング内容がしっかり反映されているものです。
失敗例3:半年以上見直しがない
お子さまは日々成長しており、半年前の目標が今も適切とは限りません。定期的な見直しがない計画は、お子さまの実態からかけ離れていくリスクがあります。
個別支援計画を活かした家庭との連携
個別支援計画は施設の中だけで使われるものではありません。ご家庭でも計画の内容を意識して過ごすことで、施設と家庭で一貫した支援が実現します。
家庭での活用例
- 今月の短期目標を知っておくことで、家でも同じスキルを練習できる場面を作れる
- 「今日の放デイで何があった?」の代わりに「順番待ちの練習はできた?」と具体的に聞ける
- 施設で成功したことを家庭でも試み、「できた!」の場面を増やす
iHomeでは、開所後は月1回の面談で計画の進捗を共有しますが、それ以外にも連絡帳や送迎時の会話を通じて、日常的に計画に関連した情報を保護者さまとやりとりしていく予定です。
相談支援事業所との連携
個別支援計画(放課後等デイサービス計画)とは別に、「サービス等利用計画」を作成するのが相談支援事業所の役割です。この2つは別のものですが、連携することで支援の方向性がより一貫します。
iHomeでは相談支援事業所との情報共有を積極的に行い、サービス等利用計画と個別支援計画が矛盾なく連動するよう努めています。
よくある質問
Q. 個別支援計画はいつ作成されますか?
利用開始前または開始後速やかに作成します。iHomeでは契約前の面談でアセスメントを行い、利用開始後1か月以内に最初の計画書をお渡しします。
Q. 計画の内容に納得できない場合はどうすればいいですか?
遠慮なくお伝えください。計画は保護者さまとの合意のもとで作成するものです。「この目標はうちの子には合わない」という感覚は大切にしてください。
Q. 他の事業所の個別支援計画を持ち込むことはできますか?
はい、参考資料としてお持ちいただくことは可能です。以前の事業所での支援の経緯を引き継ぐ際に非常に役立ちます。
まとめ:個別支援計画はお子さまの「成長の地図」
個別支援計画は、お子さまがどこに向かって成長しているのかを示す「地図」のようなものです。良い計画があれば、スタッフも保護者さまも同じ方向を向いて支援ができます。
「計画ってどんなものなの?」「うちの子にはどんな目標が合うの?」といったご質問にも、iHomeでは見学時に丁寧にお答えします。9年間で多くの個別支援計画を作成してきた経験をもとに、お子さまに合った計画づくりをお約束します。静岡市葵区古庄の事業所でお待ちしていく予定です。まずはお問い合わせください。
iHome 児童発達支援管理責任者(支援経験9年)
放課後等デイサービスの現場で9年間、お子さまの支援に携わってきました。この記事は、現場での実体験と最新の制度情報に基づいて内容を監修しています。




