高校生が放課後等デイサービスを利用するメリットと就労への準備
高校生は18歳(高3)まで放課後等デイサービスを利用でき、就労準備に効果的です。生活スキル・報連相・軽作業体験など支援内容3本柱と、卒業後の就労移行支援とのつなぎ方を支援経験9年の専門職が解説します。
最終更新:2026年06月10日

高校生は18歳(高校3年生)まで放課後等デイサービスを利用でき、就労・社会参加への移行準備として非常に効果的です。生活スキル・コミュニケーション・職業準備スキルを在学中に積み上げることで、卒業後の就労移行支援や障がい者雇用へのつなぎがスムーズになります。iHome(静岡市葵区古庄)の対象も小学1年生〜高校3年生で、高校生のご利用を積極的に受け付けています。
この記事の結論(30秒でわかる)
- 高校生も18歳まで放デイを利用できる:放課後等デイサービスの対象は6〜18歳で、受給者証があれば高校3年生まで利用可能です。「高校生にもなって」という声は誤解で、卒業後を見据えた移行支援の時期としてむしろ重要です。
- 就労準備の中心は「軽作業体験・報連相・時間管理」:封入やラベル貼りなどの軽作業、挨拶・報告のロールプレイ、出退勤記録の習慣化など、職場で必要なスキルを在学中から実践的に練習できます。
- 卒業後は就労移行支援などへバトンタッチする:就労移行支援・就労継続支援A型/B型・生活介護といった選択肢があり、高校1年生の段階から情報収集を始めるのがおすすめです。在学中の放デイでの積み重ねが次のステップにつながります。
高校生でも放デイを利用できる?利用の現状は?
利用できます。放課後等デイサービスは6〜18歳が対象ですが、実際には小学生の利用者が最も多く、高校生になると利用をやめるケースもあります。しかし、高校生だからこそ受けてほしい支援があります。
特に特別支援学校高等部に通うお子さまにとって、卒業後の社会参加を見据えた「移行支援」は非常に重要です。在学中から放デイで就労準備を積んでおくことで、卒業後の就労移行支援サービスへのつなぎもスムーズになります。
「高校生で放デイは恥ずかしい」は誤解
「高校生にもなって放デイに通うのは恥ずかしい」「もう十分でしょ」という声を耳にすることがあります。しかし18歳までは受給者証の対象であり、特に高校卒業後の社会参加・就労を見据えた準備期間として、高校生の放デイ利用は非常に重要です。
実際に、特別支援学校高等部の生徒が放デイで就労準備スキルを積んだ結果、卒業後に一般就労(アルバイト・障がい者雇用)につながったケースを多く見てきました。放デイでの積み重ねは着実に「次のステップ」につながります。
高校生が放デイで受けられる支援とは?
高校生向けの支援は「生活スキル」「就労準備スキル」「コミュニケーションと社会性」の3本柱です。
生活スキルの向上
- 調理・洗濯・掃除などの日常生活動作
- 金銭管理の基礎(お釣りの計算・買い物実習)
- 公共交通機関の利用練習
- スケジュール管理・時間感覚の育成
就労準備スキルの習得
- 報告・連絡・相談(ほうれんそう)の練習
- 作業への集中・持続力の向上
- 指示の聞き方・優先順位のつけ方
- 軽作業体験(封入・ラベル貼り・箱折りなど)
コミュニケーションと社会性
- SST(ソーシャルスキルトレーニング)の継続
- グループ活動での役割分担・協力
- 自己開示と断る練習(アサーション)
就労準備プログラムでは具体的に何をする?
iHomeで高校生が取り組む就労準備は、軽作業体験・挨拶や報告の練習・出退勤記録・困ったときの伝え方・自立移動の練習の5つが柱です。「卒業後の就労が不安」という保護者さまに特に読んでいただきたい内容です。
- 軽作業体験:封入・ラベル貼り・仕分けなど、実際の職場で行われる作業に近い体験を積みます。「20分間集中して作業できる」ことを目標に、徐々に時間を延ばしていきます。
- 挨拶・報告の練習:「おはようございます」「終わりました」「手が空きました」など、職場でのコミュニケーションの基本をロールプレイで繰り返し練習します。
- タイムカード感覚の導入:来所時・退所時に「出勤・退勤の記録」を自分でつける習慣を作ります。時間管理の意識を日常化します。
- 「困ったときの伝え方」の練習:仕事中に分からないことがあったとき、黙ってしまわずに「○○はどうすればいいですか?」と聞けるスキルを身につけます。
- 通所ルートの確認・自立移動の練習:高校生以上のお子さまには、段階的に自力通所(バス・電車・自転車)を練習することも支援の一環です。
卒業後はどんな支援につながる?(移行支援の選択肢)
特別支援学校・高校を卒業した後は、就労移行支援・就労継続支援A型/B型・生活介護などの福祉サービスにつながります。主なものを紹介します。
サービス名 | 目的 | 対象 |
|---|---|---|
就労移行支援 | 一般就労への準備・職業訓練 | 65歳未満(主に18〜64歳) |
就労継続支援A型 | 雇用契約に基づく就労支援 | 就労経験のある障がい者 |
就労継続支援B型 | 雇用契約なしの就労活動支援 | A型が困難な方 |
生活介護 | 日中活動・生活支援 | 常時介護が必要な方 |
特別支援学校高等部卒業後の主な進路と向いているケース
進路ごとの内容と「向いているケース」を、静岡市内の状況も交えて整理します。
進路の種類 | 内容 | 向いているケース |
|---|---|---|
一般就労(障がい者雇用) | 企業の障がい者雇用枠でのアルバイト・正社員 | 軽度〜中程度・コミュニケーション基礎ができている方 |
就労移行支援(2年間) | 就職を目標に職業訓練・実習を行うサービス | 一般就労を目指しているが、もう少し準備が必要な方 |
就労継続支援A型 | 最低賃金が保障された雇用契約型の就労支援 | 一定の就労能力があるが一般就労は難しい方 |
就労継続支援B型 | 雇用契約なしでの就労活動・工賃制 | 体調・ペースに配慮が必要な方 |
生活介護・日中活動 | 日中の生活支援・活動の場 | 常時介護が必要・就労より生活支援が優先な方 |
静岡市内には各種の就労支援事業所があります。iHomeでは、卒業後の進路情報の収集・比較を保護者さまと一緒に進めるサポートをしていく方針です。「まだ先の話だから」と後回しにせず、高校1年生の段階から情報収集を始めることをおすすめします。卒業後の進路に悩むご家族からのご相談も、本人の希望と特性に合った進路選択ができるよう一緒に考えていきます。
就労移行支援と放デイの違いは?
大きな違いは対象年齢(放デイは6〜18歳、就労移行支援は主に18歳以降)と目的(療育か職業訓練か)です。比較表で整理します。
比較項目 | 放課後等デイサービス | 就労移行支援 |
|---|---|---|
対象年齢 | 6〜18歳 | 原則65歳未満(主に18〜65歳) |
目的 | 療育・生活スキル・社会性の育成 | 一般就労に向けた職業訓練・実習 |
利用期間 | 受給者証の期限まで | 原則2年間(延長あり) |
就労実習 | 施設内での軽作業体験が中心 | 企業実習・職場見学を含む本格的な訓練 |
高校在学中に放デイで基礎的なスキルを積み、卒業後に就労移行支援を利用することで、スムーズな就労につながるケースが多いです。iHomeでは在学中から卒業後の進路情報を提供し、移行支援のサポートも行っていく予定です。
静岡市の高校生はどう放デイを利用している?
静岡市では、放課後の週1〜2回利用と長期休暇中の利用の2パターンが中心です。特別支援学校高等部(静岡北特支・静岡視覚特支等)に通う生徒の多くが放デイを利用しています。高校は下校時間が遅め(15〜17時台)のため、放デイの利用は主に長期休暇(夏休み・冬休み・春休み)が中心となるご家庭も多くあります。
- 夏休み・冬休み中の毎日利用:生活リズムの維持・日中の充実した活動の場として活用
- 放課後の週1〜2回利用:学校の授業後にSSTや就労準備のプログラムに参加
本人が「行きたくない」と言ったらどうすればいい?
本人の意向を尊重しながら、「行く意味」を感じられるプログラム・選択権・同年代の仲間の3つの環境を整えることがポイントです。
- 本人が「行く意味」を感じられるプログラムを選ぶ:「楽しい・役に立つ」と感じられる活動(料理・パソコン・スポーツなど)が入っている事業所を選びましょう。
- 「行くか行かないか」を本人に選択させる:強制すると抵抗感が増します。「今日どうする?」と本人に選択権を持たせながら、欠席が続かないようにします。
- 同年代の仲間がいる事業所を選ぶ:高校生が多く通う事業所では、同じ悩みを持つ仲間との交流が生まれ、居場所感が高まります。
よくある質問
Q. 高校生は何歳まで放デイを利用できますか?
A. 18歳(高校3年生)までです。受給者証があれば高校卒業まで利用でき、iHome(静岡市葵区古庄)の対象も小学1年生〜高校3年生です。
Q. 高校生から放デイに通い始めても意味はありますか?
A. あります。卒業後の就労・社会参加を見据えた準備期間として、生活スキルや就労準備スキルを積む重要な時期です。放デイでの積み重ねが障がい者雇用や就労移行支援へのつなぎになります。
Q. 高校は下校時間が遅いのですが、利用できますか?
A. 利用できます。下校が15〜17時台と遅い高校生は、長期休暇(夏休み・冬休み・春休み)中心の利用や、放課後の週1〜2回利用という形が多くあります。iHomeの利用時間は平日10:00〜19:00、学校休業日9:30〜18:30です。
Q. 卒業後はどんなサービスにつながりますか?
A. 就労移行支援・就労継続支援A型/B型・生活介護などがあります。本人の特性と希望に合わせて選択するため、高校1年生の段階からの情報収集がおすすめです。
まとめ:高校在学中の積み重ねが卒業後の社会参加につながる
高校生だからこそ受けてほしい放デイの支援があります。生活スキル・就労準備・コミュニケーションを高校在学中から積み上げることで、卒業後の社会参加がよりスムーズになります。
静岡市葵区のiHomeでは、高校生のお子さまの利用も積極的に受け付けています。進路のご相談も、お問い合わせページからお気軽にどうぞ。
出典:こども家庭庁「障害児支援施策」/放課後等デイサービス・障害福祉サービスの制度に関する公的情報はこちらで確認できます。
iHome 児童発達支援管理責任者(支援経験9年)
放課後等デイサービスの現場で9年間、お子さまの支援に携わってきました。この記事は、現場での実体験と最新の制度情報に基づいて内容を監修しています。



